竿役おっさん並の遅漏投稿となってしまいましたが、2025年冬コミ(C107)に参加してきたので報告と今回のコミケで顕在化した問題点を書いていきます。
<<報告>>
〜1日目〜
1日目は成人向けが少ないこともあり、目当てのサークルが少なかったので10時ごろ国際展示場駅に到着しました。
今までは遅くとも7時には並んでいたので知らなかったのですが、東待機列(駐車場のところ)が満員になると有無を言わさず西に向かって歩かされ、つどい橋の上で待機することになるんですね。(下記マップ参照)
会場に入れたのは12時過ぎでした。軽くサークルを何件か訪れ、その後は企業ホールへ。今回の企業ホールは気合の入ったブースが多かった印象があります。その中でも一番大きかったのがココ。

アズレンでお馴染みのタッグ、Yoasterとmanjuuが開発中のアズールプロミリアです。まだリリースされていないにも関わらず、コスプレーヤーの方が居たり、くじ引きをやっていたりと大盛況でした。かくいう私もリリースを心待ちにしている一人。3Dモデルの完成度が現状のソシャゲ界でもトップレベルなので期待度大です。
他の企業ブースで目立っていたのはNIKKE、ステラソラ、そして…

我らが対魔忍です
企業ブースも見終わって14時半頃に退散したのですが、その時間になってもまだ入場列が続いててビビりました。(この辺りの問題点は後述)
〜2日目〜
2日目は気合いを入れて始発参加。入場待機列はかなり前方で幸先の良いスタートです。

写真は7:30に撮影しているので明るいですが、最初は真っ暗闇でした。写真だと分かりにくいですが、先頭集団がかなり近くに見えています。
目当てのサークルはあらかた周れたのですが、おそらく混雑度合いが過去イチだった気がします。移動時はおしくらまんじゅうしないと前に進めないようなゾーンがほとんどです。
〜戦利品報告〜
一日目、二日目を通して購入できたのがこちら。

だいたい70冊くらいです。筆者はグッズにそこまで興味がないので荷物がコンパクトに済んで楽でした。(もちろんクソ重いですが)
<<顕在化した課題>>
はい、正直ここからが本番というかこの記事のメインテーマとなります。今回のC107は歴代のコミケの中でも多くの課題を抱えることになった回だと私は感じています。その課題とは主にこの3つです。
- AIサークルの出展
- リストンバンド転売
- 会場のキャパ不足による混雑
以下ではそれぞれ経緯を解説していきます。
AIサークルの出展
これはサークル合否が発表された11月ごろにXで話題になっていましたね。あるXユーザーがAI絵師のサークル名をリスト化したツイートをし、不買するよう注意喚起を行い波紋を呼びました。AIユーザーではない方達の反応は
「手書きが落ちてAIが受かるのはおかしい」「コミケ運営はAI絵の出展を禁止しろ」「労せず作ったAI絵で金を取るな」「著作権を侵害している」
など、参加の是非に留まらずAI絵師そのものへの批判へと発展しました。熱しやすく冷めやすいXらしく、この問題は程なくして鎮火しましたが、結局何の着地点も得ることは無かったので、おそらく人々の心に燻ったまま次の夏コミの時に同じように燃える可能性は高いです。
私もAI絵は正直苦手で、TLに流れてくるとブロックする程度には嫌AI派です。そんな私ですが、ことコミケ参加という争点に限って個人的な感想を言うと、「取り締まるのは無理筋」です。この一言に尽きます。
なぜかというと、それはコミケの理念が「すべての表現者を許容し継続することを目的」としているからです。AI絵だからと言って参加を拒否する選択はコミケの理念的にあり得ません。ただし、この理念は「法令、最低限の運営ルールに違反しない」範囲であり、生成AIが法令を犯していないかは複雑すぎて現在の法体系ではグレーといったところでしょうか。しかしそれは二次創作全般にも当てはまる話であり、性質的にAIと二次創作はとてもよく似ているのです。

二次創作がなぜグレーと言われるかについてまずおさらいしておきます。二次創作は過去から現在に至るまで、著作権という問題を抱えながらも、その行為が非営利目的であるという建前で、半ば黙認されてきました。この構造は、二次創作によるコンテンツの普及という側面は高い広告宣伝効果を持っており、取り締まるよりも自由にさせる方が利益になるし、(建前上は)非営利を謳っているから放っておいた方がいいという考えが版元にあるからだと一般的には考えられています。
ではAIはどうか?AIが学習に使用するイラストは当然、誰かが描いた著作物です。しかし、現在の法体系ではグレーである。グレーであるという構造自体は二次創作と一緒ですが、AIには前述したような二次創作の黙認の裏にあるバックグラウンドがありません。おそらくそのせいで二次創作では起こり得なかったバッシングが起きているのでしょう。
後味が悪いですが、この問題は生成AIで出力されたイラストが著作権を侵害しているという裁判例でも出ない限り、なかなか収束には向かわないような気がします。現状ではAI絵師もコミケの理念的には「表現者」であるのですから。
リストバンド転売
お次は最も憂慮すべき課題であるリストバンド転売問題です。今回のコミケは例年通り、入場に必要なリストバンドが全国のアニメイトやメロンブックスで販売されていました。しかし、販売開始から1週間ほどで午前参加のリストバンドが全国的に完売状態となり、メルカリには一本7,000円〜10,000円で転売される惨状となってしまいました。
Xでは再販希望を募る署名活動を行う有志も現れ、欲しくても買えなかった人たちの声が多く集まることに。しかし、コミケ準備会から転売問題についての対策や立場を表明することは終ぞ無く、再販されないまま開催を迎えることになりました。
このようなコミケ準備会の対応の悪さや責任の無さは今に始まったことではないので驚くことではないのですが、開催後でさえ一言も言及がないのは不安になります。
個人的に思うのが、準備会代表の過去の発言でもある期間限定のコミケ入場料有料化がいつまでも終わらず定常化し、その副産物としてリストバンドを購入できず参加できない人間を大量に産んでいる準備会の対応力の無さは、全くもって誠意を欠く行為であるということです。
転売対策をまともに取れないようなら、そもそも有料化チケットなんてやめてしまえ。
会場のキャパ不足による混雑
今回のC107で感じた混雑度合いは凄まじいものでした。一日目の報告でも挙げましたが、午後入場待機列が14時半以降も形成されているのは異常です。
その原因は言うまでもなく、ビッグサイトの改修工事でしょう。東館の半分が使えなくなっている影響は大きいです。この工事は2026年の年末まで続く予定で、今のままだとC108とC109も同様の混雑が予想されます。
解決策としては
①開催日を増やす
②もっとキャパの広い展示場を借りる
の2つが考えられます。
①はやろうと思えば可能なはずです。実際にC96やC97は4日間開催でした。もちろんビッグサイトの利用料は日数が増えることで倍増しますが、今よりも参加者の入場料が安かったC96やC97で開催が可能だったので問題はないはずです。さらに過去記事(下記参照)でも試算しましたが、現在のコミケは相当額の黒字を確保しているはずなので、資金繰りが厳しいということは考えづらいです。
②のキャパの広い展示場ですが、残念ながら日本にビッグサイトより大きな展示場は存在しません。日本の展示棟の広さは
1位 東京ビッグサイト115,420㎡
2位 幕張メッセ75,000㎡
となっており、東展示棟3棟を差し引いた後のビッグサイトの面積は911,420㎡であり、依然日本で一番大きな展示会場なのです。非常に嘆かわしい。
この前とあるポッドキャストで海外のアニメイベントが日本市場をとっくに上回っているという話を聞きました。そのポッドキャストでは、中国のビリビリワールドが今一番勢いのあるアニメイベントであると紹介されており、40万人以上の来場者だそうです。(ちなみにC107は30万人)
その来場者数を支えるのはやはり大きな展示場だと私は考えています。ビリビリワールドの会場は上海の国家会展中心という展示会場でその面積は屋内だけでなんと400,000㎡。ビッグサイトの3倍以上もあります。
コミケの混雑から見えてくる「展示会場の狭さによる弊害」が日本のサブカル文化の衰退に直結するように思えて、同人カルチャーが大好きな筆者としては市場の先細りが狭さとして可視化されてるように見えてしまいます。



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